【2026年度版】音楽療法士とは?仕事内容・資格・将来性までわかりやすく解説!

福祉・介護の資格ガイド
【2026年度版】音楽療法士とは?仕事内容・資格・将来性までわかりやすく解説

音楽には、人の心を癒やす力があります。
そんな音楽の力を活用して、心身の障害を抱える人々の回復や支援を行うのが「音楽療法士」です。

本記事では、音楽療法士の具体的な仕事内容、活躍の場、収入や資格取得方法、そして将来性について、最新の情報を交えて詳しく解説します。

よくある質問

音楽療法士とはどんな仕事ですか?

音楽の力を活用し、心身の機能回復や情緒の安定、コミュニケーション促進、QOL向上を目指す専門職です。評価・目標設定・セッション・効果測定までを計画的に行います。

活躍する主な職場は?

病院、高齢者施設、障害福祉施設、教育現場、在宅・地域、ホスピス、矯正・司法領域など多岐にわたります。

具体的な支援内容は?

感情表出やストレス緩和、運動機能・認知機能・言語コミュニケーションの促進、社会性や自己肯定感の向上、終末期のケアなど、目標に応じてプログラムを実施します。

日本の資格は国家資格ですか?

感日本では現時点で国家資格ではなく、主に日本音楽療法学会の認定制度(認定音楽療法士)などの民間資格が中心です。

資格取得の一般的な流れは?

教育機関で指定科目と実習を修了し、学会等の審査・認定試験に合格して認定を得る流れが一般的です。既卒者向けの履修ルートがある場合もあります。

必要なスキルや向いている人は?

音楽スキルに加え、心理・医療・福祉・教育の基礎、観察・評価力、倫理観、チーム連携力が求められます。人の変化を丁寧に見守れる方に向きます。

医師・リハ職・心理職との連携は?

多職種連携が前提です。医師の治療方針、リハ職や心理職、看護・介護職の計画と整合を取り、音楽療法の目標を統合します。

保険適用や報酬の扱いは?

医療保険で音楽療法単独の算定は一般的ではありませんが、医療・介護・福祉の枠組み内で活動として位置づけられることがあります。雇用形態や施設基準により扱いが異なります。

収入や働き方の実例は?

常勤・非常勤・委託・複数施設の掛け持ち・個人事業など多様です。地域・施設・経験・資格で幅が大きいため、希望領域の求人相場を確認しましょう。

将来性や需要はありますか?

高齢化やメンタルヘルス・発達支援ニーズの増加に伴い、非薬物的アプローチへの関心が高まっています。エビデンスの蓄積と連携モデルの進展で役割は明確化が進みます。

未経験から目指せますか?音大出身でなくても大丈夫?

可能です。指定科目・実習の履修制度が整っていれば既卒・異業種からの転身も現実的です。主楽器・歌・即興の基礎と対人援助の学修を並行します。

在宅やオンラインでの音楽療法は可能?

対面が基本ですが、状況に応じてオンライン併用の事例もあります。安全性、著作権、個人情報保護、家族の協力体制などの配慮が必要です。

独立・開業はできますか?

可能です。施設委託、地域サロン、企業のEAP、学校・放課後等デイとの連携など多様なモデルがあります。契約・保険・安全管理・著作権配慮など体制整備が重要です。

海外の資格や働き方は?

米国ではAMTAの教育基準とCBMT試験によりMT-BC取得が一般的です。各国で制度が異なるため、学位・実習・免許・ビザなど現地要件を確認してください。

キャリアアップや学び続けるには?

学会参加、ケース検討、スーパービジョン、研究・発表、関連資格の学修などで専門性を継続的に高められます。

音楽療法士とは?

フルートの音色と笑顔

音楽療法士は、音楽を用いた心理的・身体的ケアを行う専門家です。

音楽療法には、能動的に歌ったり楽器を演奏する「能動的音楽療法」と、音楽を聴いてリラックスする「受動的音楽療法」の2つの方法があります。

対象となるのは、認知症の高齢者、発達障害のある子ども、うつ病や自閉症の方、不登校児、薬物依存症の回復支援を受けている方など多岐にわたります。

音楽を通じて心を開き、ストレス軽減や感情表現の促進、身体機能の改善などを図ります。

仕事内容と活躍の場

音楽療法士の仕事は、個人またはグループに対して音楽を使った心理療法を提供することです。

ピアノやギターなどの楽器を使用しながら、歌唱や演奏を通じてコミュニケーションを促したり、対象者の気持ちを和らげたりします。

医師、作業療法士、言語聴覚士など他職種と連携しながら支援を行う場面も多く、特に福祉・医療現場でのチームアプローチが重視されます。

主な就職先

  • 病院(特に精神科・リハビリ科)
  • 高齢者施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)
  • 障害者支援施設
  • 児童福祉施設、養護学校
  • デイサービス・デイケア
  • ホスピス、緩和ケア施設

近年では、マタニティミュージックやヒーリング音楽なども注目され、医療現場以外でも需要が高まっています。

雇用形態と収入事情

現在のところ、音楽療法士の多くは非常勤や業務委託で働いており、常勤採用はまだ限られています。施術1回あたりの報酬は1,500円〜10,000円ほどで、施設ごとに大きく異なります。

アルバイトや派遣スタッフとしての募集では、時給800円〜1,200円程度が相場です。

福利厚生やボーナスがないケースも多く、生活の安定を図るために、理学療法士や作業療法士の資格を併せ持つ人もいます。

音楽療法士の将来性

欧米では医療現場での音楽療法が確立されていますが、日本ではまだ発展途上です。
ただし、音楽療法が認知症やうつ病の症状改善に効果を示す臨床報告もあり、今後の普及が期待されています。

また、ストレス社会といわれる現代において、「心のケア」へのニーズが高まりつつあり、音楽療法士の役割も広がっていく可能性があります

音楽療法士になるには?資格取得の流れ

日本で音楽療法士として活動するには、「日本音楽療法学会」が認定する民間資格の取得が一般的です。

資格取得までのステップ(認定校コース)

  1. 学会が認定する大学・短大・専門学校で音楽療法のカリキュラムを修了する
  2. 「音楽療法士(補)」として資格認定を受ける(2025年3月31日をもって、音楽療法士(補)資格は廃止され、認定音楽療法士のみとなります)
  3. 学会に申請し、書類審査と面接を経て「音楽療法士」に認定

資格取得までのステップ(必修講習会コース)

  • 日本音楽療法学会の正会員であること。
  • 学校法人格を有する大学・短期大学・高等専門学校・専門学校(2年以上)いずれかを卒業していること。学部・専攻は問わない。
  • 臨床経験が5年以上(音楽を使用した臨床経験2年を含む)であること。

試験概要

  • 試験形式:書類審査および面接
  • 主な審査項目:学会参加、研究発表、事例報告、論文執筆など
  • 更新制度:5年ごとの資格更新あり

まとめ

音楽療法士は、音楽の力で人の心を癒す魅力ある仕事です。
しかし、現状では働き口が限られており、安定した収入を得るには他資格との併用が有効です。

とはいえ、社会の高齢化やメンタルケアへの関心の高まりにより、今後音楽療法の重要性はますます高まると予想されます。

音楽と福祉の両面に興味がある方には、非常にやりがいのある仕事といえるでしょう。

問い合わせ先

日本音楽療法学会(JMTA)
〒105-0013 東京都港区浜松町1-20-8 浜松町一丁目ビル6F
TEL:03-5777-6220 FAX:03-5401-0337
公式サイト:http://www.jmta.jp

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